前回は、炎重工が、水産業用以外にもあらゆる水域が抱える社会問題の解決にお役立ていただける水上ドローン製品の開発を行う理由について書きました。
*前回の記事リンク:第2回 炎重工が水上ドローンをつくる理由
第3回は、実際に水域作業の省力化・効率化に炎重工の水上ドローンが活用されているお話をご紹介させていただきます。
私たちの生活に欠かせない橋梁の点検にも社会問題が・・・
川や水路にかかる橋(橋梁)は、私たちの生活に欠かせないインフラの一つです。
作られたあとも継続的に点検やメンテナンスをすることで、私たちの安全安心な生活が守られています。
橋梁の点検にもいくつか社会問題が隠れています。
国土交通省が公開している以下資料によると、橋梁は全国に約72万橋と数多くあります。
出典:国土交通省ウェブサイト(社会資本の老朽化の現状と将来・橋梁の現状)
そしてすべての橋梁は、橋梁点検士など適正に点検作業のできる知識や技能を有するプロによる5年に一度の目視点検が義務づけられています(※)。
こんなにたくさんの橋梁を定期点検するには、作業の省力化による効率アップは欠かせません。
その上、市区町村が管理している橋は、堰や用水路にかかるものが多いようです。
水に濡れる・落ちる・流されるといった危険も隣り合わせです。
これらの橋の下には人が入りにくいため、点検しにくいことが容易に想像つきます。
これらの社会問題を解決するために進められている研究の1つが、「安曇野モデル」です。
「安曇野モデル」については、以下記事が2024年4月5日の市民タイムスWEBに掲載されていましたので、お読みいただいた方もいるかもしれません。Yahoo!ニュースにも取り上げられていました。
*記事リンク:水上ドローンで橋梁点検 市、早稲田大と共同研究 業務省力化
<参照>
(※)国土交通省 道路局 道路橋定期点検要領
橋梁点検の省力化を目指す水上ドローンの活用
「安曇野モデル」ではまず、カメラを搭載した水上ドローンで橋下面を撮影します。
その後、水上ドローンが撮影してきた橋下面の画像から、AI(人工知能)で損傷の有無を自動的に判定し、より詳細な調査が必要な橋をえり分けるのだそうです。
橋下面の撮影にお使いいただいている炎重工の水上ドローンは、横幅75cm・高さ50cmです。
人が入りづらい小さな橋の下にもスイスイと入って撮影を行います。
右手前に光る赤いライトがかわいいですね。
リモコンについているモニタでカメラ映像を見ながら操作できるため、撮りたいポイントに到着したことを確認してから撮影ができます。
水上ドローンは、陸地で、1人で操作できます。
水に濡れる・落ちる・流されるといった危険からも解放されます。
また、この水上ドローンの操作に免許は不要です。
橋梁点検士などのプロに詳細な調査を依頼する前に、現場を管理している方が、自ら橋の状態を確認することもできます。
これにより、今よりもっと安全に、効率よく橋梁点検ができるようになることを目指しています。
今回は「安曇野モデル」にて水上ドローンを活用いただいているケースをご紹介させていただきました。
今後は、橋梁点検を行うプロが実際にどのように点検作業を行っているのか、また、これからの橋梁点検に水上ドローンはどのように役立てるのかなど、さらに詳しく取材を進めていきたいと思います。
文責:炎重工・仲野喜美子
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